日経電子版 SPIREでMUNI KYOTOが取り上げられました
日経電子版 SPIREの「京都・嵐山の地で唯一無二の景色と美食を味わう。」記事でMUNI KYOTOが取り上げられました。
https://ps.nikkei.com/spire/article/lifestyle/li-65.html
日経電子版 SPIREの「京都・嵐山の地で唯一無二の景色と美食を味わう。」記事でMUNI KYOTOが取り上げられました。
https://ps.nikkei.com/spire/article/lifestyle/li-65.html
Goto Retreat By Onko Chishin이 잡지 VOGUE 특집 “일본에서 가장 편안한 호텔”이라는 타이틀로 소개 되었습니다.
■기사URL:https://www.vogue.com/article/the-5-most-relaxing-hotels-in-japan
Goto Retreat Ray was featured in VOGUE’s special feature titled
“The Most Relaxing Hotels in Japan”.
URL: https://www.vogue.com/article/the-5-most-relaxing-hotels-in-japan
瀬戸内リトリート青凪では、2022年12月1日(木)~2023年1月31日(火)の2か月間、現代アートの中でも最新技術として注目を集めるNFTアートプロジェクト“BANANA X”を展示いたします。今回は愛媛在住の気鋭アーティストtsumichara氏とのコラボレーションが実現。地域の気鋭アーティストやクリエイターとのコラボレーション等を通じて、「地域の光」を見つけ、それを届けて参りたいと考えております。
■展示日程
期間:2022年12月1日(木)~2023年1月31日(火)
場所:瀬戸内リトリート青凪 ギャラリー
〒790-2641 愛媛県松山市柳谷町794-1
ご宿泊者以外で鑑賞をご希望の場合は事前にお問い合わせください。
■作品とアーティストについて
作品名 :BANANA X
制作年 :2022
サイズ :606mm × 606mmが4枚
額縁の有無:無
題材となったのは2019年、アート・バーゼル・マイアミで、壁に貼られたバナナ「Comedian」。
このただ“壁に貼られたバナナ”が12万ドルで落札されたことから着想を得ています。現在のNFTムーブメントと「Comedian」を重ねあわせることで、作品の背後にあるメッセージを鑑賞者に想像させ、またNFTを介してアートの当事者としても参加できるようデザインされました。このプロジェクトを通して日本各地、世界中でコミュニティメンバーを増やすことを目的として、“旅するバナナ”と題して各地を巡ることもプロジェクトの一貫。愛媛を皮切りに、青森、徳島、京都、沖縄、大阪、東京とバナナを旅させるプランが進行中です。
詳細はこちらをご覧ください: https://banana-x.studio.site/
<アーティストプロフィール:tsumichara>
大学では数学を、大学院では経営学を専攻。コンサルティングファームに勤務した後、起業。2019年より経営の傍らアーティスト活動を開始。2021年、社長退任と同時に東京から愛媛に移住。アーティスト、デザイナーとして活動中。
■NFTについて
「NFT」とは、ブロックチェーン技術を活用することで、デジタルデータに対し唯一無二な資産的価値を付与し、新たな売買市場を生み出す技術のことで「Non-Fungible Token」の略語です。NFT化されたアートにはトークンIDが付与され、作成者・所有者・権利者・取引履歴といった情報も同時に記録されます。これにより複製が難しくなりデジタルアートの唯一性が証明されます。
■“BANANA X”について
NFTを活用したアートプロジェクトです。キャンバスに描かれたアートの区画をNFTで分割販売。NFTを購入すると、キャンバスの共有持分権が得られます。アートの共同保有者は、NFTやアート、地域カルチャーなどお互いの興味関心について議論し合えるコミュニティを形成。コミュニティ内から、新たなプロジェクトが立ち上がることも見込まれます。また、保有者は、キャンバス販売前からファンとして作品のマーケティングやブランディングに関与。フィジカル(現物)とデジタル(NFT)の両面から新たなアート体験ができます。
<展示に関するお問い合わせ>
瀬戸内リトリート青凪
Email: yoyaku@setouchi-aonagi.jp
公式サイト:https://setouchi.by-onko-chishin.com//
<プレスリリースURL>
https://www.atpress.ne.jp/news/332078
<取材に関するお問い合わせ>
pr@okcs.co.jp
普段、私たちの運営施設をご利用くださっているお客様を対象に、私たちの宿に関わる人々に焦点をあてたニュースレター、「旅先案内人」をお届けしています。
【vol.15】から、数回に渡り、五島列島にまつわる連載を配信しております。この夏新しく開業した五島リトリート ray。五島列島の”地域の光”をご紹介していきます。
(温故知新 運営ホテル:瀬戸内リトリート青凪・壱岐リトリート海里村上・箱根リトリートföre &villa 1/f ・KEIRIN HOTEL 10・五島リトリートray)
いまや、私たちの生活にかかせない『ガラス』ですが、その歴史は古く、今から 5000年ほど前に、人類がつくった物質であるといわれています。日本でも太古からガラスの成形・加工が行われていましたが、ガラス文化が花開いたのは16世紀半ば以降。海外との貿易の玄関口として発展してきた長崎の地にポルトガルからその技術や工芸品がもたらされ、全国に広がっていきました。
ガラスと縁が深いこの地で、ガラス文化を伝える2人のガラス職人に出会いました。ガラス工房を40年以上営む長崎市の『瑠璃庵』、五島列島で唯一のステンドグラス工房『538 ステンドグラス工房』です。ガラス文化が伝わったこの地で紡がれる、輝く手仕事をご紹介します。
じめっと蒸し暑い陽気で、梅雨もいよいよ本番かという6月の昼下がり。長崎市内でガラス工房を営む瑠璃庵を訪ねました。
「ちょっと、暑いんですけど…」
少し申し訳なさそうに工房兼お店に向かい入れてくれたのは、ガラス職人の竹田 礼人(あやと)さん。工房とショップが併設された店舗の奥には、職人さんたちが汗を流しながら”吹きガラス”の製作に取り組む姿が。ガラスを溶かすための大きな”溶解炉”は絶え間なく火を炊いており、1000度を超える熱さです。長崎・五島列島にあるホテル『五島リトリートray』では、オリジナルの器やグラスの製作をお願いしており、客室やレストランで使用しています。今回はその製作風景を見学しにやってきたのですが、工房の熱気がお店の端まで伝わってきました。
ガラス職人の竹田 礼人(あやと)さん
炉に入れては取り出し、空気を吹き入れ形を変え、何度もガラスを重ねて作る吹きガラスの作品。窯の近くはまるでサウナのようで、じっとしているだけでも汗が流れ落ちてきます。
「うどんやそばを打つ人が、日によって毎回素材の様子が違うと言いますが、ガラスも同じです。ガラスは温度が下がると割れてしまうため、冬は炉の外に出して整形できる時間が短い。逆に夏場は、外に出しておける時間は長いけれど、暑さとの戦いです。熱を持ったガラスは1000度以上あるので、汗が一筋垂れるだけでガラスが割れてしまう。それほど繊細で、同じものはひとつもないんです。」
「瑠璃庵の特徴は、砂を溶かしてガラスをつくるところからやっていることです。最近の主流ではガラスの塊を溶かしてつくる人も多いし、その方がガス代なども安上がりなのですが、ガラスの原材料からこだわることで、美しさを引き出しています。」
そう語りながら見せていただいたのは、ふかふか、サラサラの美しい”砂”。これが、ガラスを作るための最も大切な原料の1つです。現在は、タスマニア産の珪砂(けいしゃ)を使用しているそうですが、江戸時代などのガラス職人は、日本の海岸の砂を使っていたそうです。
「砂に、色々な成分をいれて透明度を出しているのですが、元の砂が良くなければどうにもなりません。日本の砂もこんな風に美しかった時代があったんですね。現代ではもう汚くて使えなくなってしまいました。世界的にも、美しい砂が取れる場所がどんどん消えています。地球の美しさとガラスの美しさは、いつも隣り合わせなのかもしれません。」
普段、なかなか目にすることのない、ガラスの”原料”。美しい海の砂から作られるということを知ると、ガラスの水のような透明感やきらめきの秘密が、わかったような気がします。
「ガラスは、海から生まれているんですよ。」
竹田さんの言葉が、なんともロマンティックに聴こえました。
「瑠璃庵は、父と私、親子二代でものづくりをしていています。もともと父は、建築系の仕事をしていたのですが、37歳の時に会社を辞めて、日本で初めてのガラスの大学に通いなおし、一からガラスについて勉強して瑠璃庵を創業しました。その頃、長崎で販売されていたガラス製品やお土産は、ほぼ海外製のもので長崎で作られているものは、ほぼなかったそうなんです。」
長崎のガラス文化が失われていた…そんな事実を目の当たりにしたお父様の竹田 克人(かつと)さん。”長崎のガラス工芸に再び火を灯したい”そんな想いを抱き、導かれるようにガラスの世界に飛び込みました。現在、お父様の克人さんはステンドグラス職人として、息子の礼人さんは吹きガラスの職人として活動しています。今では、世界遺産にも登録されている長崎市内の『大浦天主堂』の修復を手がけるなど、確かな腕前と熱い想いで、長崎のガラス文化を伝えています。
「長崎でやるというのが、一番のこだわりであり、意味があると思っています。生まれた土地だし、歴史もあるし、ここしかない。」
「長い間、同じ場所に工房を構えていると、嬉しい出来事もあります。修学旅行生でガラスづくりを体験した子が、先生になって自分の教え子を工房に連れてきてくれたんです。“当時のあの感動を忘れられなくて、教え子にも体験させたい。今もその作品をもっている”と話してくれて。そうやって、ガラスを通じてモノや想いが続いていってくれているのを実感しました。モノには必ず、思い入れやエピソードが宿ります。手作りで作ったモノだからこそ、大切にしようと思ってくれたり、何か感じ取ってもらえるものがあるんじゃないかと、信じています。」
“大切にしたくなるもの”、それは、使うたびに作り手の顔が思い浮かんだり、自分の思い出にそっと寄り添ってくれるものではないでしょうか。丁寧に作られた瑠璃庵のガラスの作品たち。ガラスの先にいる職人さんたち、あるいは、ガラス文化を伝えた太古の人々に想いを馳せながら、長く大切に使っていきたいと感じます。
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【ガラス工房:瑠璃庵】
住所:長崎県長崎市松が枝町5-11
TEL:095-827-0737
営業時間: 9:00-18:00
休館日:毎週火曜日
HP:http://www.rurian.com/
Instagram:https://www.instagram.com/rurian_glass_studios_inc/
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穏やかな海の目の前に、ポツンと佇むレンガ造りの建物。福江島の北西部に位置する三井楽町というエリアに、島唯一のステンドグラス工房があります。ガチャリと扉を開けると、小柄な女性が大きな色ガラスと対峙する姿が。真剣なまなざしに、思わず息を飲みます。
『538 ステンドグラス工房』の濱崎由美子さん
出迎えてくれたのは、島でステンドグラスの製作を行う『538 ステンドグラス工房』の濱崎由美子さん。たくさんのガラスやパーツに囲まれた空間は、手仕事の臨場感を感じられ、なんだかわくわくしてきます。
工房がスタートしたのは、今から25年前。五島出身の方が工房を開き、当時、同エリアにある「三井楽教会」のステンドグラスを製作するという大きなプロジェクトが進行していました。
「教会といえば、ステンドグラスのイメージがあると思うのですが、三井楽教会には一切なかったんです。正確にいうと、1代目の教会にはあったのですが、建て替えで2代目になった際になくなってしまったようです。工房をはじめられた方が『とても寂しい、やっぱり教会にはステンドグラスがほしい』と感じていらしゃって。そこから、プロジェクトが立ち上がりました。」
工房がスタートしてから約一年後、濱崎さんは工房の生徒さんとして、活動に加わります。当初は、自宅のドアの一部にステンドグラスを飾りたいと考えており、個人的な製作をするために生徒募集の張り紙をみて参加をしたそうです。
「私が参加した時、既に三井楽教会のステンドグラスの製作の話がありました。メンバーは9名、私含めキリスト教の信者さんは2人しかおらず、全員ステンドグラスやガラスの知識もない初心者。大阪から先生を呼び、0から教わりながらの製作です。基本的にはボランティアとしての活動だったので、各々が空いている時に進めました。その頃私は市役所の職員だったので、仕事が休みの土日を利用し参加していました。5年で完成させる予定で、最終的には6年かかりましたね。」
ステンドグラスの製作は、細かいデザインに合わせガラスをカットしたり、気の遠くなるような作業もあれば、ケイムというガラスを嵌め込む固い鉛線をグイッと曲げるような力仕事も必要です。デザインに合わせてミリ単位で調整をしていきます。
「もちろん不安もありました。教会に納める予定のステンドグラスは、全部で34枚。仕事もしながらだったので、5年も続けられるかな、と。でも、1枚完成させるとマインドが変わりました。完成させる喜びを体感した時、本当に疲れを忘れましたね。ああ、綺麗だなあと心が動きました。」
三井楽教会のステンドグラスには、キリスト教の歴史、日本、そして五島のキリスト教の歴史が表現されています。その場所に宿るストーリーをガラスに込めて作られた大作のステンドグラスは、今や街の立派なシンボルです。
工房を立ち上げた方は、三井楽教会の作品の製作期間中に身体を悪くされ、完成を見届けることなくこの世を去ってしまったそう。その後、工房では濱崎さんが中心となり、教会のステンドグラスの修復や制作を手がけています。それまでデザインやものづくりについて学んだことがなかった濱崎さんでしたが、いちから技術や知識を勉強し、現在は五島のお店などから、デザインからオーダーメイドでの製作の依頼もあるそうです。
「思い出深い製作があるんです。2011年、東日本大震災のあとのことでした。岩手県に住むカトリック信者の方から一本のお電話があって、話を聞くと津波で家から何から全て流されてしまったと。失意のどん底に落ち、これからどうやって生きていこうと思っていた時、五島へ旅した際に見た、教会の美しいステンドグラスの光景が頭に思い浮かんだそうです。『希望だ。これがあれば、私は生きていける、と思って…家に飾りたいんです』とおっしゃって頂いて、なんとか力になりたいと思いお受けしました。」
東北という遠距離からの依頼ということもあり、難易度が高いオーダーでした。それでも「ここにもあった、復活支援!」を合言葉に、粘り強く密に連絡を取り合い、4枚のステンドグラスを制作し岩手に送り届けたそうです。
「ステンドグラスは、まだ文字が読めない人々が多かった時代に、色や形で想いやその意味を伝える役割を持っていました。ガラスの色や表現されている形、全てに意味が込められています。
岩手の方に何を作ろうかと考えていた時に、ふと浮かんだ言葉が『天地創造』でした。教会のマリア様に守って頂けるようにマリア様を描き、”入口”を現す虹、”精霊”を現す鳥を描いたりなど、嵐は去ったよ、平和がやってきたよ、という想いを込めたんです。」
届ける人に想いを馳せながら、ひとつひとつのモチーフや色に意味を宿したステンドグラス。美しいガラスが人々を魅了するのは、作り手のささやかな祈りが、細部まで込められているからなのかもしれません。
市役所の職員をやりつつ、ステンドグラスの製作をしていた濱崎さんは、今から15年前、ご自身が55歳の時に職場を退職し、工房の仕事に専念をするようになります。現在は、製作のかたわら、観光客向けにステンドグラスの製作体験も行っています。
「自分の持っているもので、何かに貢献できたらという想いはあります。これからも、作り続けていきたいですね。いつまでできるかな…」
淡々と静かにガラスと向き合い、こんなにも大変な作業を何気ないことのように、少し控え目に、はにかみながら語る濱崎さん。自宅のドアのガラスを直したいという想いからはじまり、今や島の美しい文化を繋ぐガラス職人に。いくつになっても、ひたむきにやり続けることが、ライフワークにつながるということを、教えてくれたような気がします。
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【538 ステンドグラス工房】
住所:長崎県五島市三井楽町濱ノ畔806-9
定休日:不定休
※五島リトリート rayでは、アクティビティとして、ステンドグラス作り体験を行っております。体験ご希望の方はホテルまでお問合せください。
五島リトリート ray:0959-78-5551
詳細はこちら
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KEIRIN HOTEL 10にて、競輪選手と共にバンクの走行体験やトークセッション、バックヤードツアーなど、様々な競輪のコンテンツを組み込んだ「競輪&宿泊型研修」を2022年10月16日(日)〜17日(月)の1泊2日で行いました。「実際にバンクを走ってみてとても気持ちがよかった」「実際に選手が走行している姿を間近で見てみたかった」など、参加いただきました連合岡山東部地域競技会(参加者25名)様の意見を参考に、今後も日本唯一のスタジアム一体型のホテルならではの類のない体験を通して、競輪場を盛り上げるイベントの開催を目指していきます。
普段、私たちの運営施設をご利用くださっているお客様を対象に、私たちの宿に関わる人々に焦点をあてたニュースレター、「旅先案内人」をお届けしています。
【vol.15】から、数回に渡り、五島列島にまつわる連載を配信しております。この夏新しく開業した五島リトリート ray。五島列島の”地域の光”をご紹介していきます。
(温故知新 運営ホテル:瀬戸内リトリート青凪・壱岐リトリート海里村上・箱根リトリートföre &villa 1/f ・KEIRIN HOTEL 10・五島リトリートray)
旅の醍醐味に、「地域の”ものづくり”に触れること」があります。その土地で生まれた必然性が宿る地域の手仕事。技を今に輝かせる職人達の手によって磨かれ、この地ならではの気づきを私達に与えてくれます。
私たちのホテル「五島リトリート ray」では、コンセプトのひとつに「local crafts」(地域の光)を掲げており、地域作家によるクラフトたちが、rayの空間を彩ります。五島の
素材を活かしながら、オリジナリティ溢れるものづくりを行う地域の作り手の声に、そっと耳を澄ませていただければ嬉しく思います。
自然豊かな五島列島には、バリエーション豊かな樹木が自生しています。そんな木々を活用して作品づくりを行うのは、木工作家 wan -made in Gotoislands- の坂口喜人さん。木のぬくもりを感じながらも、シャープで凛とした佇まいが特徴的な坂口さんの作品にひと目で引き込まれ、現在ホテルのspaとショップで取り扱いを行っています。
wan -made in Gotoislands-
「9年ほど前に、名古屋から五島へUターンをしてきました。高校卒業後に島外に就職したのですが、都会の喧騒に疲れて戻ってきたところ、島の”間伐材”の多さに気づきました。引き取り手のいない間伐材は捨てられていくしかなく、勿体無い。何かに活用できないか。そんなことを考えている最中に出会ったのが、フィンランドの伝統工芸品である “ククサ”という木製のマグカップでした。」
坂口さん
最初は別の仕事をしながら作品づくりを行い、地元のマルシェへの出展や、カフェでの委託販売など、小さく活動をはじめた坂口さん。その後、当時の仕事を辞めたタイミングで、本格的にものづくりをしてみようと考えたそうです。さまざまな木工に触れたり、動画サイトで作り方を独学で勉強しながら、現在のスタイルを確立していきました。
「フィンランドのククサは白樺の瘤の部分で作られていて、非常に野生味がある印象ですが、これをもっと普段使いしやすく日常に馴染むものを作りたいと思ったんです。人々の生活に欠かせない食器を、シンプルに力強く、でも、どんな場面にも合うように。そこにあるのが当たり前かのようなデザインに仕上げました。」
デザインから製作まで、全て自身で行う坂口さんの作品は、既視感のない個性的な佇まいが魅力です。現在では、三越伊勢丹でPOP UPを行うなど、島外からも注目度が高く、五島発のウッドテーブルウェアブランドとして、じわりじわりと名を広めています。
「以前は島外の木材も希少性の高いものは積極的に使用していましたが、現在は島内の間伐材をメインとし、島外や産地不明の物に関しても解体現場から出てきた物など、循環を大切にしています。
伐採後は自身の工房で3~5年、自然乾燥させています。その後、乾燥状態を見極めて細かく製材していきます。ククサは箱型の状態にした木材から一発の削り出し。この時に個性豊かな木目が出るように木取りが出来るのは、自身で丸太を製材できる環境にないと難しい事なので楽しみの一つでもあります。手にとって頂く方にも、どんな木目のものにするのかを選ぶ楽しさを感じていただけると嬉しいです。」
「活動をはじめてしばらくすると、多方面から”木を切って欲しい”と連絡をいただくようになったんです。切り方を父に教わって、自分で切りに行くようになりました。特に、台風後にはよく電話が鳴ります。土地柄、台風も多いので木が倒れてしまうことも多々あるので、そんな時に声をかけてもらいます。」
台風のエピソードは五島ならでは!と思わず関心してしまいました。地域の困りごとを、ものづくりにポジティブに活用していく。とても素敵な作品作りの在り方だと感じます。現在、坂口さんの作品では、サクラ、タモ、シイ、カエデなどの木を使用しており、ひとつのカップや食器を通じて、五島の自然の豊かさが伝わってくるようです。
「作品づくりをしていると、木も生き物なんだなと実感します。削っていると中に虫が住んでたり、ひとつひとつ表情や柔らかさも異なっていて、個性もある。たまに、すごくテンションが上がる木に出会うこともあって、こんな木目が良い木が島にあったんだなと驚いたりもします。もっと美しくしてやるぞ!と思いますね(笑)」
「私の作品で、レジンを混ぜて削り出したシリーズがあります。愛する五島の海中を表現した、ちょっと遊び心を入れた作品です。wanの工房は福江島のシンボルでもある鬼岳の麓にあるのですが、上水も通っていない地域に所在しています。生活用水は地下に雨水を溜めるタンクを設置し濾過していて、降雨が少ない時期は貯水がゼロになり近くの湧水を汲みに行く事も多々あります。 たくさんの自然の恩恵を受けて生活していますが、生きていく上では、どうしても犠牲も出してしまいます。レジンのシリーズは売上の一部は、自然保護活動団体へ寄付していて、これは私なりの自然への感謝の気持ちと、烏滸がましいですが、お返しだと考えています。」
自然の中で暮らしながら、循環を大切に、環境に対して敬意を払いながら木と向き合う坂口さん。そんなマインドで生み出された五島ならではの作品は、使っているうちに私たちの暮らしにやわらかく溶け込み、使う度に五島の自然へと心が帰っていくような気がします。
五島列島には、木の他にも地域にある素材を新しい解釈で見つめ、ものづくりをしている職人がたくさん存在しています。”モノにはふるさとがあり、その土地で生まれた理由がある。ぜひ五島リトリート rayで、そんな職人たちの魂のカケラに触れていただければ幸いです。
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wan -made in Gotoislands-
HP:https://wan-madein-gotoislands.jimdofree.com/
オンラインショップ:https://shop.wangoto.net/
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‘MUNI KYOTO By Onko Chishin’의 2개 레스토랑, ‘MUNI LA TERRASSE’와 ‘MUNI ALAIN DUCASSE’가 ‘미슐랭 가이드 2023 교토’에서 1스타를 획득했습니다.
The restaurants “MUNI LA TERRASSE” and “MUNI ALAIN DUCASSE” in MUNI KYOTO have been awarded one star in “Michelin Guide 2023 Kyoto”
普段、私たちの運営施設をご利用くださっているお客様を対象に、私たちの宿に関わる人々に焦点をあてたニュースレター、「旅先案内人」をお届けしています。
【vol.15】から、数回に渡り、五島列島にまつわる連載を配信しております。この夏新しく開業した五島リトリート ray。五島列島の”地域の光”をご紹介していきます。
(温故知新 運営ホテル:瀬戸内リトリート青凪・壱岐リトリート海里村上・箱根リトリートföre &villa 1/f ・KEIRIN HOTEL 10・五島リトリートray)
島を訪れると、スーパーや土産物屋で、多くの”お茶”を目にします。五島茶と呼ばれる緑茶から、五島の名産である椿の葉を使った「つばき茶」、他にも五島産のレモングラスを使ったお茶まで。その豊富なバリエーションから、昔からお茶が盛んだったと思いきや、お茶の生産がしっかりとはじまったのは、今から25年ほど前。ひとりの立役者の存在がありました。
ホテルのショップや客室で取り扱っている五島のお茶
島でお茶の生産から販売までを手がける、「有限会社グリーンティ五島」。緑茶をはじめ、緑茶を発酵させた和紅茶、椿の葉を使ったつばき茶など、100%オーガニックにこだわった商品を全国へ届けています。そんな会社の社長、入江 稔雄(いりえ としお)さんは、五島列島のお茶の生産の礎を築いた第一人者。焼けた肌と力強い五島弁が、パワフルな印象です。福江島で生まれ育ち、高校を卒業をした後、父親と同じ畜産業へと進みますが、お茶の生産に関しては未経験だった入江社長。なぜ、お茶の栽培をはじめたのでしょうか。
「茶畑は、今から25年前の平成9年にはじめました。お茶の生産自体は、そのさらに15年前くらいには行われていたのですが、台風災害や後継者の問題などで、しばらく廃園になっていたんです。その頃、島の産業として養蚕産業が一気に盛り上がった時期があり、県内最大の養蚕団地があったほど。しかし、海外産の低価格繭の流入が増え価格は下がり、養蚕農家も高齢化。みるみる衰退していきました。仕事がなくなり、どんどん島の外に人が流出していってしまったんです。どうにかして、五島の新しい産業をおこし雇用の場を作らんばいけん、と思ったのも、お茶づくりを始めた理由の一つでした。」
畑がよく似合うグリーンティ五島の入江社長
「島では、耕作放棄地が増え続けています。ほったらかされてしまった土地は、どんどん土が悪くなっていく。そうなると、土の体力がなくなり美味しいものが作れなくなってしまうんです。また、『山が荒れれば海が荒れる』という言葉があるように、農業の衰退は、海にまでも影響を及ぼします。”これじゃいけん。島のためにひと肌、ふた肌もぬがんばいかん。”そう思って、耕作放棄地を茶畑として蘇らせていく取り組みをはじめました。」
経験のないお茶作りにチャレンジをしながら、「生産と同時にお茶屋(現在のグリーンティ五島)までやらないと、五島の経済がまわっていかない」と考え、栽培から販売まで、全てを自ら手がけることに。五島で作られた緑茶『五島茶』は、その確かな美味しさが口コミで広まり、他の地域へと販路が拡大していきます。
「知り合いに紹介され、静岡の茶商を訪ねた時があります。五島のお茶を出したら、”こんなお茶は飲んだことがない。この旨味と甘味はなんですか?”と驚きながら言われたんです。おそらく、堆肥と島の潮風が運ぶミネラルが、お茶を美味しくさせたのでしょう。そこから静岡の茶商との取引が始まっていきました。」
茶商も驚くほどの美味しさと、五島の風土が育んだ特異性を武器に、販路を徐々に増やしていきました。しかし、その後、産地表示義務化の波に揉まれ販路は縮小、ペットボトルの普及などで需要は落ちていく。そして、温暖化や台風の被害も一気に続き、苦しい時期を迎えます。
「いきなり売上が1/10、1/20に落ちていって、トラブルも起こる。肥料のお金も払えない。自分も家族もスタッフも意気消沈して、会話もなかったです。そんな、どうしようもない時にオーガニック農法に取り組む地元の人と出会い、もう一度、原点を見つめ直すことができたんです。
自分らの本当の原点にもどらんば。我々農家というのは、消費者に安心・安全・おいしさを届けるのが役目。それを自分は忘れておった。原点に戻ろう、と。教えてもらった有機農法を続けていくと、お茶も徐々に蘇っていき、さらにまろやかになっていきました。これしかない!と思いましたね。」
現在では、最も基準が厳しいとされる「EU(欧州連合)」の残留農薬基準もクリアし、有機オーガニック認証を取得。厳しい時期を乗り越え、消費者へより良い商品を届けながら、自分たちも胸をはって誇れるものづくりへと、歩みを進めていきました。
震災以降、中国産のお茶が流入し、お茶の価格が暴落。その頃、五島列島では島の特産物を作り活性化につなげたいという動きがありました。素材として注目されたのが「椿の葉」でした。古くから椿が自生し、現在も栽培が盛んであった椿を活かせないか、入江社長にも相談が持ち込まれます。
「最初は、エグくて口に入っていかなかったんです。頭を抱えながらも試行錯誤の末、椿の葉と緑茶を混合発酵させる世界初の製茶法で”五島つばき茶”を生み出しました。つばき茶を、県の農業試験場に出してみたら、日本人の成人病の効果があるような、驚きの成分も出てきたんです。美容や健康効果も確認され、今や、五島の大切な地域産物の1つになっています。」
新たな地域産物を作るために、奔走した入江社長。「つばき茶で生産者の生活を支え、島に人を呼び戻すきっかけになれば・・・。」そんな想いが、彼の胸の内にはありました。
「近年、地球温暖化や台風など異常気象の影響で、お茶を育てるのがどんどん難しくなってきています。せっかく頑張って育てても、ダメになる。現場も疲弊してしまいます。”とにかく南方の品物が必要だ”と思い、色々調べた末に、レモングラスにたどり着きました。」
お茶っぱに続く第二の”柱”を作るべく、南方系の素材、特にハーブなどを検討していたところ、知人からレモングラスは島に雑草でも生えていて、越冬していることを教えてもらったそうです。現在のオーガニック農法と堆肥土づくりが、レモングラスにマッチし、美しい色をした香り高いレモングラスの栽培に成功。入江社長は、島の未来を見据えつつ、再びこの地ならではの素材を生み出しました。
入江社長の挑戦の真ん中には、いつも島のため、島の豊かさや経済を守るという信念があります。そんな彼に、島の豊かさとは何か?と質問を投げかけると、こんな答えが返ってきました。
「それは、”経済と心”だと思います。いつでも向上心を持っていること。みなさんの活気、やる気が必要です。私が生きている間に、この島はいい島だと、若い人に自信をもたせんばいかんと思っています。地元に自信があれば、出ていこうとは思わないはずです。そのためには、外から来た人に、どんどん島の素材を磨いて美しくして、価値を高めて売り込んでいって欲しい。地元の人には、原石がわからなくなってしまっているんです。お互いにアイデアを出し合って、私たち生産者にもどんどん注文をつけてほしい。我々は、いくらでもいい素材を作って、それに応えていきたいと思っています。」
全ては、島の未来を見据え、次の世代に島の豊かさを繋ぐために。耕作放棄地を茶畑に、そして椿茶の栽培、新たにレモングラス生産へのチャレンジ。バイタリティ溢れる入江社長の姿からは、地元への深く大きな愛情と、ものづくりへの情熱を感じます。お茶から島を変えていく、グリーンティ五島の取り組み。次はどんな難題をクリアし、新たなチャレンジをしていくのか・・・今後も目が離せません。
有限会社グリーンティ五島
長崎県五島市吉久木町1179-2
Instagram:https://instagram.com/greentea_goto
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